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- 移動平均線の基本情報
- 移動平均線の種類
- 移動平均線と他のインジケーターを組み合わせた攻略法
移動平均線は数あるインジケーターの中でも利用者が多く、他のインジケーターとの相性も良いため、様々な場面で組み合わせて使われることが多いです。
「万能のインジケーター」と呼ばれたりもします。
この記事では、そんな移動平均線について分かりやすく解説します。
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バイナリーオプション取引では、移動平均線の他にも有効なインジケーターがたくさんあります。詳しくはバイナリーオプションのおすすめインジケーターを紹介する記事でまとめているので、こちらも是非参考にしてみてください。
移動平均線とは
「グランビルの法則」で知られるアメリカのJ・E・グランビルが発明したテクニカルチャートで、ある期間の終値の平均をつなぎ合わせて線にした指標です。
ローソク足と併用すると、相場の強さやトレンドの向きを視覚的に把握することができます。
移動平均線は、自分で平均を取る期間(日数)を設定できますが、平均を取る期間をどのように設定するかで見れる情報が変わってきます。
例えば、5分おきといった短い期間で見る平均線なら「直近の動き」が、25日といった長い期間で見る平均線は「これからの動き」を予想するのに使います。
移動平均線の概要をまとめると以下の通りです。
- 移動平均線はある期間の終値の平均をつなぎ合わせた線
- 移動平均線を見ることで相場の強さやトレンドを把握できる
移動平均線の基本的な見方
移動平均線は、価格を示すローソク足との位置関係をもとに相場の状況を見るのが基本です。
【具体例】
例えば、ローソク足が移動平均線よりも上にあるときには過去の終値の平均値に比べて現在の価格が高く、「上昇傾向が強い相場」であることが分かります。
反対に、ローソク足が移動平均線の下側にあると、過去の終値の平均値に比べて現在の価格が低くなっているので、「下降傾向の相場」だと判断できます。
また、移動平均線とローソク足が重なるような位置にあって、ローソク足が移動平均線を繰り返しまたぐこともあります。この場合は、終値を平均的に見た値と実際の終値があまり変わらないことを意味し、「上昇傾向も下降傾向もないレンジ相場」だと判断できます。
移動平均線の設定期間と特徴
移動平均線を使う場合は、設定期間の違いを意識する必要があります。
具体的にどう違ってくるかというと、移動平均線の期間設定が長いほど、より古い時期の終値を反映することになります。逆に期間設定が短いと直近の終値のみに影響される指標になります。
したがって、期間設定を長くするほど過去の値動きに影響されて緩やかな曲線になり、期間を短くするほど現在の値動きに敏感に反応します。
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移動平均線の種類
移動平均線で最もよく用いられるのは単純移動平均線(SMA)です。
これは一定期間の終値を単純に加算して平均化したものですが、平均化の仕方によって異なる種類の移動平均線を引くことができます。
- 単純移動平均線(SMA)
- 加重移動平均線(WMA)
- 指数平滑移動平均線(EMA)
- 修正移動平均線(MMA)
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単純移動平均線(SMA)
設定した期間におけるローソク足の終値の平均値を算出し、その値をつないだ移動平均線です。
計算式は次の通りです。
単純移動平均線(SMA)=(直近の終値+1本前の終値+2本前の終値…+(n-1)本前の終値)÷n
※n=設定した期間(ローソク足の本数)
5日であれば、5日分の終値を合計して5で割った値が移動平均の値になります。
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加重移動平均線(WMA)
単純移動平均線(SMA)よりも、直近の価格に重点を置いた移動平均線です。
計算式は次の通りです。
加重移動平均線(WMA)=[直近の終値×n+前日の終値×(n-1)+前々日の終値×(n-2)+…+(n-1)日前の終値]÷[(n+(n-1)+(n-2)+…+2+1)]
計算式も分かる通り、単純移動平均線(SMA)に比べて直近の値に敏感に反応します。
指数平滑移動平均線(EMA)
指数平滑移動平均線(EMA)は、単純移動平均線(SMA)と同様に数値の平均を取ったものです。
単純移動平均線(SMA)と違う点は、より直近の価格に重きをおいて且つ過去の価格も反映するように考えられているところです。
計算式としては次のようになります。
初日の計算:単純移動平均の値を採用
2日目以降の計算:EMA=EMA(n-1)+α×{レート-EMA(n-1)}
※n=対象期間
※α(平滑化定数)=2÷(n+1)
※レート=当日の価格
指数平滑移動平均線(EMA)は、修正移動平均線(MMA)と同じ考え方に基づいた平均計算方法ですが、より直近の値に加重を加えて計算します。
そのため、単純移動平均線(SMA)に比べて、直近の価格の動きに対して敏感に反応しますが、加重移動平均線(WMA)ほど敏感ではないという感じです。
修正移動平均線(MMA)
単純移動平均線(SMA)では、前日よりも今日の値段が高ったとしても、過去の数値の影響を受けて平均値が下がります。
これを解決するために、修正移動平均線(MMA)では、例えば5日の場合、過去4日分は以前の修正移動平均線(MMA)を使い、直近1日分をその数字にプラスして5で割ります。
計算式で表すと次ようになります。
修正移動平均線(MMA)={前回の修正移動平均線(MMA)×(n-1)+pn}÷n
※pn=直近の値
特徴としては、過去の修正移動平均線(MMA)を用い続けるので、単純移動平均線(SMA)よりも滑らかなプロットになります。
意味合いとしても、過去全期間のトレンドを含んだ指標になります。
移動平均線とMACDを組み合わせた攻略法
ここから、移動平均線を用いた攻略法を具体的にご紹介していきます。
まずはMACDとの組み合わせについて解説します。。
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MACDの期間設定
MACDの期間設定はMT4・MT5の場合、短期EMAと長期EMAの2つの値からMACDラインが作られ、シグナルの数値がシグナルラインになります。
MACDの期間設定はある程度研究されていていくつか有名なものがありますが、今回は30秒取引ですので、以下のクリス・マニング氏が考案したものを採用します。
- 短期EMA:9
- 長期EMA:17
- シグナル:7
MACDの特徴
MACDの特徴も確認しておきましょう。MACDは移動平均線を応用したテクニカル指標なので移動平均線の性質を持っています。
MACDの性質 | |
---|---|
MACDラインの向き | MACDラインが上向きならば上昇 MACDラインが下向きならば下降 |
MACDラインの傾き | MACDラインの角度が急なら強いトレンドが発生していると判断できる |
MACDラインとシグナルラインの剥離 | MACDラインとシグナルラインが離れる方向に進んでいる →相場の勢いがある MACDラインとシグナルラインが近づいている →相場の勢いがなくなってきている |
これらの性質を組み合わせて、MACDラインが急角度でシグナルラインから大きく離れていると戻る力も強いといった判断もできます。
MACDと移動平均線の組み合わせた際のエントリーポイント
では、具体的なエントリーポイントに関して解説します。
移動平均線は短期(25)中期(75)長期(100)で設定します。
移動平均線のパーフェクトーダーを確認してMACDのMACDラインとシグナルラインのクロスでエントリーします。
長期移動平均線、中期移動平均線、短期移動平均線が交わり合っていない状態のことです。
パーフェクトオーダーが成立している状況では、相場全体が上下どちらかにトレンドを持って進んでいる状況なので、相場が反転しにくいと考えます。
つまり、この手法は王道のトレンド相場での順張りエントリーというわけです。
ただし、ダイバージェンスが発生したらエントリーは見送りましょう。
「逆行現象」とよばれるもので、テクニカル指標が示すトレンド方向と実際にローソク足が示すトレンドの方向が逆行することを意味します。
トレンド順張りの弱点は、いつトレンドが終わるかの判断が難しいところで、取引の設定時間が長いほどリスクが上がります。
逆に言えば、30秒のようなごく短い取引はしっかりと相場分析さえ忘れなければ、トレンド順張りに最適ともいえます。
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移動平均線とエンベロープを組み合わせた攻略法
続いては、エンベロープとの組み合わせをご紹介します。
移動平均線を中心にして一定の幅で上下に離れたバンドを表示したトレンド系テクニカル指標です。
エンベロープは日本名で「移動平均線剥離率バンド」と呼ばれ、名前が示す通り移動平均線から価格がどれだけ離れているかを確認できるインジケーターなのです。
エンベロープとボリンジャーバンドの違い
エンベロープとボリンジャーバンドは似ていると感じている人もいると思いますが、実際、両方ともローソク足を補助して環境認識をしやすくする点は同じです。
また、順張り・逆張りの目安となる部分も同じになります。
ただ、計算するベースが違うためバンドの幅について以下のような違いがあります。
名称 | 計算方法 | バンドの幅 |
---|---|---|
エンベロープ | 移動平均線からどのくらい離すかを「パーセンテージ」で設定 | 基準となる移動平均線から常に一定の幅を保っている |
ボリンジャーバンド | 標準偏差を用いて設定期間の価格の分布を「シグマ」で設定 | 相場のボラティリティにより幅が変化する |
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感覚的には、エンベロープは自分の使い方に合わせることができるけれど、ボリンジャーバンドはボリンジャーバンドの特性に自分を合わせるといった違いもあります。
エンベロープの設定値
エンベロープは3つの設定値を設定し使うインジケーターとなります。
MT4でエンベロープを表示させるには「挿入」→「インジケーター」→「トレンド」から「Envelopes」を選びます。
設定画面では基本的には次の3か所を設定します。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
期間 | 基準となる移動平均線の期間を入力 |
移動平均線の種別 | Simple→単純移動平均線(SMA) Exponential→指数平滑移動平均線(EMA) |
偏差 | 移動平均線からどのくらいエンベロープを離すかの設定値 ※最低0.01から0.01単位で設定可能 ※数値が大きくなるほど移動平均線から離れた位置に表示される |
これらのことを加味して、戦略や相場の状況に合わせて設定をしていきます。
一般的にエンベロープの期間は14~25程度です。
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また、エンベロープにおいて要となるのが「偏差」の設定です。
エンベロープの場合「偏差」は移動平均線から一定のパーセンテージ離しただけの設定となります。
そのため、「通貨ペア」「時間足」「メインで観察する時間帯」によって調整しなければなりません。
これは、ボラティリティが関係するからです。
為替の値動きの変動度合いを表すものです。
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このように、エンベロープには決まった数値がないので設定の差が顕著に表れます。
逆に言えば自由度が高いということで、自分の最も合ったエントリーポイントを探す手助けをしてくれると考えることもできます。
基本的には、数値の意味を掴んだうえで、自分が使いたい方法を決めて過去相場で調整→リアル相場で検証を繰り返し数値を決めると良いでしょう。
とはいえ、いきなり設定値を探すのは難しいでしょうから以下の設定値を参考にしてみてください。
- 期間:21
- 偏差:0,30
エンベロープと移動平均線の組み合わせた際のエントリーポイント
ここでは、エンベロープと移動平均線を用いた逆張りのエントリーをご紹介します。
エンべロープを使った逆張りは、エンべロープの外側から内側へローソク足がクロスしたことを確認した後にエントリーするのが基本です。
なぜなら、エンベロープをローソク足が超える=相場の勢いがあると判断できるからです。
そのため、ローソク足が移動平均線に向けて戻ってきたことを確認することで、無駄な負けを減せます。
ちなみに、ヒゲのみがエンベロープをクロスした場合も逆張りのエントリーポイントとしては有効です。
ただし、「ヒゲのクロス」なのか「実体のクロスなのか」の基準を作っておかないと、エントリーポイントが曖昧になる可能性があります。
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移動平均線とボリンジャーバンドを組み合わせた攻略法
最後に、ボリンジャーバンドとの組み合わせをご紹介します。
統計学の「標準偏差」を応用したテクニカル指標で、標準偏差から導き出される確率を利用して為替の動向を予測します。
ボリンジャーバンドを使った手法では、次のような特性を生かしてトレードしていきます。
- ±1σに収まる確率:68.26%
- ±2σに収まる確率:95.44%
- ±3σに収まる確率:99.73%
実際の為替予測では、「2σのラインに接したら、その中に納まる確率が95.44%なので反発する可能性が高い」というような使い方をします。
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ボリンジャーバンドの設定
この攻略法では、ボリンジャーバンドのミドルラインを利用しますが、ミドルラインはボリンジャーバンドのバンドの基準になる移動平均線のことです。
期間は21日で設定します。
この値は併用する移動平均線の短期移動平均線(25MA)よりさらに短く、それだけ実勢レートの動きに敏感に反応します。
そのため、25MAとミドルラインが同じ方向を向き、なおかつ、ミドルラインが25MAよりも上にあれば「上昇トレンドが発生している」と判断でき、したがって25MAのラインで反発すると判断します。
下降トレンドの場合はその逆で、ミドルラインが25MAよりも下にあれば、25MAで反発する可能性が高いわけです。
さらに、トレンドが継続するかは、ローソク足の高値(安値)と2σの2つを利用して判断できるので精度も高まります。
ボリンジャーバンドと移動平均線を用いたエントリーポイント
では、具体的な手順を見てみましょう。
まず、移動平均線(25MA)とボリンジャーバンドのミドルラインが同じ方向であることを確認します。
さらに、ローソク足が高値(安値)を更新し続けているかを確認し、更新し続けていればトレンドが発生していると判断します。
移動平均線(25MA)とミドルラインの位置関係が次のような状況の時は反発する可能性が高いので、エントリーの準備をします。
- 上昇トレンドかつ移動平均線(25MA)がミドルライン(21MA)の下
→HIGHエントリー - 下降トレンドかつ移動平均線(25MA)がミドルライン(21MA)の上
→LOWエントリーで準備
そして、実勢レートが移動平均線(25MA)にぶつかったタイミングでエントリーします。
エントリータイミングは次の通りです。
- 上昇トレンドかつ実勢レートが移動平均線(25MA)にぶつかった→HIGHエントリー
- 下降トレンドかつ実勢レートが移動平均線(25MA)にぶつかった→LOWエントリー
この手法の勝敗は、トレンド発生を確実に把握することと、どれくらいそのトレンドが発生するかを正確に予測できるかにかかっています。
この攻略法は順張りなので、明確なトレンドが発生すればするほど勝つ確率は高くなります。
また、トレンドが発生しているか否かは以下の点でも確認しましょう。
- ローソク足が高値(安値)更新のスピードが早い
- ローソク足が高値(安値)更新の幅が大きい
- 移動平均線(25MA)がミドルライン(21MA)よりもかなり下(上)
- 移動平均線(25MA)、ミドルライン(21MA)の傾きが大きい
これらの条件が揃えば揃うほど強いトレンド発生の可能性は高くなります。
これに合わせて、ボリンジャーバンドの「幅」にも注意しておきましょう。幅が広がっているほどトレンドはバンドの範囲内で続く可能性が高いです。
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まとめ
利用頻度の高いインジケーター「移動平均線」について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
冒頭でも言いましたが、移動平均線は他のインジケーターとの相性が良く、どれと組み合わせても高い分析精度を誇ります。
そのため、必ず使えたほうが良いでしょう。
なお、バイナリーオプションには無料で利用できるデモ口座があるので、移動平均線と他のインジケーターを併用した手法を何度でも試せます。
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